小瀧望くん

私の好きな短編集に「泳ぐのに、安全でも 適切でもありません」という本がある。江國香織さんの短編集である。私はその本の二作目 「うんとお腹をすかせてきてね」というタイトルの短編がとても好きである。

とても簡単に内容を説明すると食べ物と肉体の関係を甘美に、そして官能的に描いた作品であるが、その中にこのような一文がある。


''「どうしてた?」キャベツをつまみながら裕也が訊き、「死んでた」とあたしはこたえる。こたえた途端に、それがあまりに真実なのであたしは驚く。きのうまで、あたしは死んでいた、そして、祐也ときたら、こんなふうに死体を甦らせてくれるのだ。''


そう、私にとってこの祐也が、小瀧望なのである。


私が小瀧くんを好きになったのは、俗に言う担降りではない。初めて好きになったジャニーズのタレントである。NEWSは別格とする。

最初に小瀧くんを見たのは某動画サイトであった。本当に何気なく、本当に何気なくジャニーズWESTジャニーズWESTをあばけ!を見たのである。そこにいる、小瀧望を見たのである。

私が小瀧くんに惹かれたのは紛れもなく「小瀧望が面白かったから」である。誤解されたくないので言うが、「私は顔から入った顔ファンじゃない」という事を言いたいのでは全くない。あんなにお顔が美しいのだ。顔ファンは当たり前である。ただ本当にわたしは小瀧くんの面白い所に惹かれたのである。濱田君になりすまし、果敢に笑いを取る小瀧くんにわたしは衝動的に、動物的に惹かれたのである。関西ジャニーズJr.出身という事で、「面白い」ということに傾斜していることは分かっていたが、小瀧望君はその時わたしの中で「面白い男の子」としてインプットされた。あの綺麗なお顔であんなにセンスの良い勘の良い男の子は誰なんだ、、、そう頭がぐるぐるした時、私はまた違う動画にであう。

ジャニーズWESTが出演していたお昼の関西ローカルの番組だった。そこでも小瀧望はやはりとても面白かった。そこで初めて最年少、セクシー担当であることをしった。お、面白すぎる……………と口がふさがらない。小瀧くんはその番組でも決して自分自分とボケていくのでなく、求められた所で自分の魅力を駆使して笑いを取っていた。私はその時点で、小瀧望に堕ちていたのである。

何よりもそのギャップにある。あんなにイケメンでスタイル抜群な男の子は今時のチャラい面白いセンスの良い男の子であるという事実に惚れてしまった。小瀧くんはとても面白く、クレバーだった。

元々私はお笑いが大好きであり(吉本教)であった。何よりジャニーズという枠組みの中に面白いを求めた事は、なによりも挑戦であった。小瀧くんのアイドルとして、またエンターテイナーなところに惚れたのである。あのクレバーな所は今のジャニーズアイドルにはあまり見ないものだと思っている(贔屓目)


お顔はとっても美しいが、正直好みではなかった。ただ、面白い!という衝動だけで小瀧くんに向き合うには、浅すぎた。これはうまく説明しがたいが、やはり入るところは大事だと思う。顔、ダンス、そして性格。私はどうしても小瀧くんのクレバーで面白いところを前面に見てしまうのである。なによりも小瀧くんは興味深い。そんなアイドルである。このブログを書いたのは、私が好きになった最初の小瀧くんを残したかったからだ。これからどう変化しようと、私は面白い、クレバーな小瀧くんをずっと進化させていくのだろう。小瀧くんを好きになったことは私の中で一生の謎であり、誇りであり続ける。


小瀧くんは、アイドルは、こんなふうに死体を甦らせることができるのである。